the Back of Moonlight
月光の裏側で
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第八章 木ノ下涼&井坂淳ほか<柔道部編> 〜片恋〜
 2,告白

      (寮の自分の部屋に戻って)
木ノ下 「…は〜〜〜〜…(溜息をつきながらドアを開ける)」
二ツ木 「おめでと〜〜〜〜!!」(盛大な拍手)
木ノ下 「!! ……なんだよ…?」
二ツ木 「やっと井坂を落としたんだろ?八田に聞いたぜ!
     よかったな〜〜!」
木ノ下 「……ダメ……」
二ツ木 「え?」
木ノ下 「ダメだったの」
二ツ木 「……」
木ノ下 「…大失敗…
     そのうえ、井坂に女の子紹介されることになっちゃった…(情けない笑い)」
二ツ木 「女の子? …なんでまた…?」
木ノ下 「…わかんねぇ… なんかそういうことになってたんだよ…!」
二ツ木 「…だって、お前、女の子となんか…つきあえるの?」
木ノ下 「やだよ! 女となんかつきあいたくない!
     女なんて姉貴たちだけで俺は充分だよ!
     女なんかうんざり!だからここ来たのに……
     井坂〜〜〜〜!」
二ツ木 「また始まった…
     やっとお前の『井坂〜〜〜!』を聞かなくて済むように
     なるかと思ったのに……
     なんで断らなかったのさ?」
木ノ下 「…紹介…?」
二ツ木 「うん」
木ノ下 「…アイツの従姉妹なんだって…
     アイツに告白したんだってさ…
     でもアイツはつきあいたくないらしい…
     で、代わりに俺……」
二ツ木 「…お前さ…またカッコつけてたんだろ…?」
木ノ下 「………だって……」
二ツ木 「ばっかだなぁ…」
木ノ下 「だって、アイツが女に告白されるなんて、
     そんなの全然予想してなかったから俺、頭がパニクっちゃって…
     アイツにだけはそういうことは起きないと思ってたのに……!」
二ツ木 「ひでぇ… これだから外見の良い男ってやなんだよな。
     井坂、可愛いじゃん、お前、そう思ってんのは自分だけとか
     思ってたの?」」
木ノ下 「……(図星)」
二ツ木 「ああいうコロコロ体形って結構人気あるんだぜ?
     俺みたいなヒョロヒョロよりずっとさ。
     ラガーマンとかもてるじゃん」
木ノ下 「そ、そうなの…?
     あ〜〜〜〜〜っ! もうダメだ〜〜〜!
     俺、すげぇやなヤツだと思われてる…!
     俺、アイツにライバル視されてたんだぜ!?
     技じゃ負けるけど、力じゃ負けない!だって……
     もう、がっくりだよ……
     俺がなんのために柔道部に入ったんだか…
     アイツがいるからじゃん!
     もう、やだ! 柔道部なんか辞める!
     柔道なんか上手くなったって全然意味ない!
     …井坂〜〜〜〜〜〜!
     好きなんだよ〜〜〜〜〜!」
二ツ木 「…は〜…(どうしようもないな、という溜息)
     (ベッドを振り返って)聞いた?」
八田  「(さらに振り返って)聞いた?」
井坂  「…………」(カーテンを開けて出てくる)
木ノ下 「!!!! な、なに!? なんで…!?」
二ツ木 「だめ(逃げようとする木ノ下の腕を掴む)
     俺達、いいかげん、お前の『井坂〜〜〜〜〜』から解放されたいの。
     振られるなら振られるで、きっちり男らしく振られて。
     井坂、そういうわけだから、振るならきっちり振って。
     可哀相だろ? 1年の時からずっとなんだぜ?
井坂  「!……」
八田  「俺達、夕飯食いに行ってくる。かっきり1時間したら戻るから
     それまでにケリつけろよな」(出て行く)
井坂  「………」
木ノ下 「………」

・・・・・・・・・

       (1時間前、寮に引き上げる途中)
二ツ木 「八田! そっちも今、上がり?」
八田  「おう… 今日は走り込みだけだから…そっちは自主練?」
二ツ木 「まあね…」(一緒に歩き出す)
    (グラウンドから寮まではそれなりに距離がある)
八田  「お前等さぁ…少しは自粛しろよ…
     さっき何やってたんだよ…
     おかげで木ノ下がその気になってたぞ…」
五十嵐 「木ノ下がその気って…」
二ツ木 「まさか井坂…?」
八田  「ああ、信じられねぇだろ?
     とうとう我慢出来なくなったみたいだぜ。
     お前等が見せつけるから…」
二ツ木 「でもいいことじゃん! これで毎晩アイツの『井坂〜〜』を
     聞かないで済むってことだろ?」
八田  「そんな上手い具合に行くと思う…?
     お前は井坂のことあまり知らないだろ?
     アイツ、真面目なんだよ…
     そんな簡単に行く話なら、木ノ下だってとっくに手出してるって」
二ツ木 「…そりゃ、そうか… アイツ、節操ナシだもんな…
     俺もアイツに…」
五十嵐 「何っ!?」
二ツ木 「わ、やば… 漸ちゃん、違うって、漸ちゃんと付き合う前だって!」
五十嵐 「前〜っ!?」
二ツ木 「わ、ごめん! で、で、でも、涼に会わなかったら
     漸ちゃんに告白なんて出来なかったもん…!」
八田  「五十嵐、止めとけって、アイツに嫉妬するなんて無駄」
五十嵐 「無駄…?」
八田  「俺も二ツ木も最初からアイツと同室なんだけどさ…
     最初の一ヶ月で、同室の五人全員アイツに抜かれた」
五十嵐 「!」
八田  「まあ、1年の時はまだいいんだけどさ…
     さすがに後輩が出来ると、マズイんじゃないかと思って
     春にさ、部内では問題起こすな、
     頼むから後輩には手を出すなって頼んだんだよな…
     その時さ、アイツが言ったんだよ…」
五十嵐 「なんて…」
八田  「柔道は井坂がいるからやってるんで、
     オチンチンは俺の趣味だから、って……」
五十嵐 「……(絶句)」
二ツ木 「…そう… 好きとかそういうの、全然関係ないの。
     子供みたいなもんだよ。アイツは、ソレにしか興味ないの。
     …井坂、以外はね」

井坂  「はっ はっ はっ……」
八田  「お、井坂…… ?」
     (目の前を道着をはだけたまま走って行く井坂)
八田  「?… あ、なんだ、トイレか…」
二ツ木 「今…道着のままだったよな…?」
八田  「木ノ下のヤツ…失敗したな…」
     (気になって後を追う)

     (トイレ)
八田  「…あれ? いねぇ…? あ、中か…」
二ツ木 「しっ!」
・・・・・
井坂  「…はぁ ……(便座に腰を下ろすと自分のものを出す)
     ………… ぅ…(片手で触れられた乳首を触る)……涼…っ」
     (いった後、呆然と座ったまま、…涙が込み上げてくる)
    「うっ……」(嗚咽)
     (ドアの外)
二ツ木 「…聞こえた?」(皆の顔を見ながら)
五十嵐、八田「(頷く)」
五十嵐 「…泣いてるぜ?」
八田  「……」
    (五十嵐を外へ連れ出す)
八田  「先、行ってくれる? こっから先は二ツ木と俺でなんとかするから」
五十嵐 「…ああ…」(立ち去る)
    (二ツ木も出てきてトイレの外で2人で待つ。なんとなく無言)
井坂  「(出てきて)…八田… 二ツ木も…?」
八田  「…何があった?」
井坂  「べつに何も…」
二ツ木 「じゃあ、なんで泣いてたんだよ?」
井坂  「……(下を向く)」
二ツ木 「……ふ〜…俺さ、もう知ってると思うけど…
     五十嵐が好きなんだよね…」
井坂  「…ああ… さっき一緒のとこ、見たよ…」
二ツ木 「変だと思う?」
井坂  「…………(長い沈黙の後)いや…」
二ツ木 「さんきゅ… で、正直に答えて欲しいんだけど、
     木ノ下のこと、どう思う?」
井坂  「……(下を向いたまま淡々と)…涼は… どのくらい遊んでるんだ…?
     あんなこと、しょっちゅうやってるのか…?」
二ツ木、八田「……(目を見交わして、どう言う?という顔)」
八田  「…『あんなこと』の中身がわかんねぇから答えにくいけど、
     俺も二ツ木もアイツに抜かれたことあるから
     遊んでるっていえば、遊んでるな…」
井坂  「!! 八田も!? (顔を上げて2人を見る)」
八田  「(少しきまり悪そうに)一年の時な、今はやってない」
二ツ木 「あ、俺も同じ。今やったら漸ちゃんに怒られちゃうもん」
井坂  「……だから気にするな、…って言いに来たのか…?」
二ツ木 「あ、違う、違うよ!」
八田  「俺達とは遊びだったけど、お前には本気なんだよ、アイツ…
     だから、振ってもいいけど、良い振り方してくれよ…
     頼む!…アイツ、お前がいるから柔道部にいるんだ。
     お前に振られたら、部活辞めかねない。
     今、アイツに辞められたら困るんだよ…!」
井坂  「…俺がいるから…? (口元を歪めて)冗談だろ……」
二ツ木 「ホントだよ! 本気も本気!
     今まで手出さなかったのが、何よりの証拠!」
八田  「そう…あんなに才能あるのに、簡単に辞められるんだよ…
     悔しいけどな…」
井坂  「………アイツ… 辞めるかも……」
八田  「えっ!? もう、振っちゃったの!?」
井坂  「……俺、遊ばれるのは嫌だ……だからそう言って…」
二ツ木 「逃げてきたのかよ!? あ〜あ…」
井坂  「………」
二ツ木 「…?……でもさあ… さっき…『涼』…って聞こえたよね…?」
井坂  「!? ……き、き、聞いてたのか…!?」(…真っ赤)
二ツ木 「………遊びじゃなけりゃ……いいわけ…?」
井坂  「………」
二ツ木 「……な〜〜〜んだ! じゃあ、話は早いよ!
     一緒に来て!」(袖を引っ張って走り出す)

 
 第8章・3へつづく
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・・・木ノ下…アホだよね。私がハンサムと設定すると、ろくな性格にならない(笑)逆に言えば、ロクデナシは顔くらい良くしてあげねばという愛情です(嘘くさっ)。合気道をやってたことがあるんで、道着は着た事があるから描くのが楽だわ♪この章は漫画で見たいな〜と思うけど、自分で描くのはめんどい…暇が出来たら描いてみたい気もするけど。思ったけど、前回の37と今回の38のトップ絵、逆のほうがいいような。というわけで替えます。混乱した方、すいません…海神
ちなみに下が、替える前、今の37のトップ絵。井坂淳です。

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■the Back of Moonlight(月光の裏側で) <38>■海神社 Kaijin-sya 第一版 2007/09/21
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