the Back of Moonlight
月光の裏側で
...58...
... 15.. 6 ...
第15章 アイシング 〜番外編〜多田光克&桐窪貢 with 星赤慧〜
6.
(11月のある休日)
(光克の自宅/都内B区のマンションの一室)
(寝室)
(貢がベッドから毛布を引きずり出してるところへ慧が入ってくる)
貢 「…星赤さん…(手を止める)」
慧 「もうだいぶ良さそうだな… (枕元の体温計を取って)
測って見ろよ」
貢 「…(ベッドに腰掛ける)」
慧 「……本当に悪かったな…(隣に掛ける)」
貢 「……(頭を肩に預ける)…忘れて……
…僕も忘れます……
………
…星赤さん…
……多田さんを切り離そうとしないで…
…ううん… 自然に離れるなら仕方ないけど…
僕を割り込ませて離そうとするのは止めて…
…それで星赤さんにとって僕が価値がなくなるのなら…
僕は諦めます……
星赤さんは多田さんを諦め切れないでしょう?
…僕、わかりました。
…あなたが多田さんを抱かない理由……
………でも………」
慧 「…浅野が留学するって話しだろ。…さっき聞いた」
貢 「…!(頭を上げて慧の顔を見る)
聞いたんですか…?
(目線を外し頭を下げて)じゃあ……あれだ……
…はは… 多田さんには悪いけど…意味が無いや…
治るのが早かろうが遅かろうが………」
慧 「…何故?」
貢 「…………」
慧 「……俺は早く治って欲しいぜ?」(甘い声)
貢 「……僕、…寝ます(ふらっと立ち上がる)」
慧 「(手を引く)…ここで寝ればいいだろ?」
貢 「(ぺたんと座って)………」
慧 「寝ろよ…(肩を抱いて倒す…)」(ひざまくら)
貢 「…………(慧の手が髪を梳くように撫でる)」
慧 「……体温計」
貢 「……(出して渡す)」
慧 「…7度か…もう一眠りすれば治るな…」
(指でこめかみの傷をなぞる)
貢 「!!………止めて………」
慧 「(腿が濡れるのを感じて)…桐…?」
貢 「…同情? それとも自責…?
…嬉しいでしょ…? これで多田さんは貴方のものだ…
…遅くても来年の春には……
…僕はそれまでの繋ぎですか…?
昨日の言葉、…忘れます。忘れますから。
どうせ、信じちゃいなかったんです…
いいタイミングでしょ?」
慧 「…熱のあるヤツの話はまともに聞けない。
…治ってからにしろよ」
貢 「風邪が? 7度なんて熱の内に入りませんよ…」
慧 「…俺はお前を手放す気はないぜ…
…お前がもう会わないと言うなら仕方ないがな…
でもまあ、とりあえず我慢する。
次はクリスマスだな」
貢 「…………クリスマス…?」
慧 「…イブ祭の翌日。…温泉なんかどうだ?
…怪我に効くヤツ、調べとく」
貢 「………星赤さん……もしかして僕の機嫌をとろうとしてるの…?」
慧 「もちろん」
貢 「…(起き上がって目を見ながら)どうして…?」
慧 「…お前が気に入ってるから。
…どうせ好きだと言っても信じないんだろ?」
貢 「どこが…?」
慧 「勘のいいところ。八方美人なところ。…傷も。
…それに俺以上のタラシなところも。気に入ってる」
貢 「…タラシ?」
慧 「ああ。男タラシ。…俺は女タラシとは言われたことあるが、
男関係はきれいなもんだぜ?
まさか、お前に光克が落とせるとはね。一目置くよ」
貢 「…あ、ダメ、感染る」
慧 「…あとでうがいするよ」
貢 「…ならいい… ……………………………………」
慧 「(唇を離して)……本当に落としたんだな…」
貢 「…光克先輩が返してやれって」
慧 「………桐…今回限りだ。分かるだろ?
他ではいい… 俺はお前とキスしてるんだ。アイツじゃない」
貢 「…!…はい……」
慧 「…(両手で顔を持って)…覚えたいなら俺から覚えろよ……」
二人 「………………………………………………」
貢 「(唇を離して)…はっ…あ…… ふぅ………(体を預けたまま)
…なんか…熱が上がった気がする………」
慧 「…一眠りしろよ…(寝かす) 俺は帰るが…
…クリスマス、忘れずに空けとけよ。じゃあな…
…っと。
熱が下がっても無理はするなよ。
…汗をかいたらちゃんと後始末してアイツに感染さないようにな(笑う)」
貢 「…! (枕元にあったティッシュボックスを投げる)」
慧 「おっと(受け取って置く)ははは…」
・・・・・・・
(ダイニング)
光克 「…アイツは?」
慧 「あっちで寝かした(席についてグラスを取る)」
光克 「そうか…(注ぐ)」
慧 「…自棄になるな。今は受験に専念しろよ…
とりあえずそのことだけ考えるんだ」
光克 「…そうだな…
…で…? その後は……?(目を見る)」
慧 「……それはその時考えろ。今考えたってしようがない。
今は今やることだけやる。だろ?」
光克 「……(頷く)」
慧 「…アイツ、勘のいいヤツだろ……」
光克 「…ああ、正月な。いいヤツだよな…」
慧 「…光克…… アイツでいいなら俺は構わない」
光克 「!… バカ言うな……」
慧 「いや… 聞かなかったことにしてもいい。
…ただ…そういうことだ」
光克 「………………」
慧 「じゃあ、俺はそろそろ帰る。(席を立つ)
受験で大変な時に面倒かけてすまないが、…頼む。
俺には、…素直になれないらしいから」
光克 「ああ… 寮よりもここのほうがはかどるから構わない。
気にするな。
………
……さとる………(手を伸ばす)」
二人 「…………………………………………」
慧 「……光克… アイツと寝てもいい…
……でも…キスはするな……お前のキスは俺のものだろ?
俺は約束を守ったぜ…?」
光克 「…!!… さとる…! ごめん!」
慧 「謝るな……」
・・・・・・・
(夕方 ダイニングにて勉強中)
光克 「(気配に顔を上げて)…起きたのか。調子はどうだ?」
貢 「…(パンツ一枚で浴衣を手にしてる)
…あの…着替えと…何か食べるもの………」
光克 「(笑って)今、用意する。座ってろ」
貢 「…はぁ〜… 先輩、熱、取れました…」
光克 「ずいぶん汗かいたみたいだな…
(スポーツドリンクを渡す)
腹が我慢出来そうなら先にシャワー浴びたらどうだ?」
貢 「あ、そうします…」(席を立つ)
光克 「あ、桐、お前、魚介類平気か?」
貢 「? はい…?」
光克 「夕飯、鍋にするから。…肉の方がいいなら…」
貢 「(笑って)いえ。鍋でいいです」
・・・・・・・
(シャワーを浴びて着替えて)
貢 「…すいません… 手伝えなくて……」
光克 「気にするな。かけろよ」
貢 「…先輩… 奥さんみたい……」
光克 「はぁ? 誰の?」
貢 「…僕の(笑顏)」
光克 「(頭を小突く)バカ言ってないで食えよ、腹へってんだろ」
貢 「はい!」
15章 7 <59>に続く...>>>>>+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
・・・マースと温泉…私が行きたい……お洒落な温泉なら湯河原とかどうでしょう?高い?じゃ富士山の眺めが最高というほったらかし温泉は?…宿が無い?…はいはい、わかった。伊豆の露天風呂付き日本旅館にでも泊まってくれ。え?苗場?…またスキー?…ようするに自分が山に行きたいのね…クリスマス明けなら安いもんね…い〜んじゃないの。光克を置いて桐君と苗場……光克、かわいそ〜…受験だから仕方がない?言訳が上手いね。海神
■the Back of Moonlight(月光の裏側で) <58>■海神社 Kaijin-sya 第一版 2009/03/08
Copyright 2003-2009 WADATSUMI, yuu. All Rights Reserved.
文責・海神悠 WADATSUMI, Yuu/著作権は放棄していませんので、サイト中の文章や写真を勝手に使わないでね
◎海神別荘 Kaijin Besso◎ Since January 2004