the Back of Moonlight
月光の裏側で
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第15章 アイシング 〜番外編〜多田光克&桐窪貢 with 星赤慧〜
6.
    (11月のある休日)
    (光克の自宅/都内B区のマンションの一室)
    (寝室)
    (貢がベッドから毛布を引きずり出してるところへ慧が入ってくる)
貢   「…星赤さん…(手を止める)」
慧   「もうだいぶ良さそうだな… (枕元の体温計を取って)
     測って見ろよ」
貢   「…(ベッドに腰掛ける)」
慧   「……本当に悪かったな…(隣に掛ける)」
貢   「……(頭を肩に預ける)…忘れて……
     …僕も忘れます……
     ………
     …星赤さん…
     ……多田さんを切り離そうとしないで…
     …ううん… 自然に離れるなら仕方ないけど…
     僕を割り込ませて離そうとするのは止めて…
     …それで星赤さんにとって僕が価値がなくなるのなら…
     僕は諦めます……
     星赤さんは多田さんを諦め切れないでしょう?
     …僕、わかりました。
     …あなたが多田さんを抱かない理由……
     ………でも………」
慧   「…浅野が留学するって話しだろ。…さっき聞いた」
貢   「…!(頭を上げて慧の顔を見る)
     聞いたんですか…?
     (目線を外し頭を下げて)じゃあ……あれだ……
     …はは… 多田さんには悪いけど…意味が無いや…
     治るのが早かろうが遅かろうが………」
慧   「…何故?」
貢   「…………」
慧   「……俺は早く治って欲しいぜ?」(甘い声)
貢   「……僕、…寝ます(ふらっと立ち上がる)」
慧   「(手を引く)…ここで寝ればいいだろ?」
貢   「(ぺたんと座って)………」
慧   「寝ろよ…(肩を抱いて倒す…)」(ひざまくら)
貢   「…………(慧の手が髪を梳くように撫でる)」
慧   「……体温計」
貢   「……(出して渡す)」
慧   「…7度か…もう一眠りすれば治るな…」
     (指でこめかみの傷をなぞる)
貢   「!!………止めて………」
慧   「(腿が濡れるのを感じて)…桐…?」
貢   「…同情? それとも自責…?
     …嬉しいでしょ…? これで多田さんは貴方のものだ…
     …遅くても来年の春には……
     …僕はそれまでの繋ぎですか…?
     昨日の言葉、…忘れます。忘れますから。
     どうせ、信じちゃいなかったんです…
     いいタイミングでしょ?」
慧   「…熱のあるヤツの話はまともに聞けない。
     …治ってからにしろよ」
貢   「風邪が? 7度なんて熱の内に入りませんよ…」
慧   「…俺はお前を手放す気はないぜ…
     …お前がもう会わないと言うなら仕方ないがな…
     でもまあ、とりあえず我慢する。
     次はクリスマスだな」
貢   「…………クリスマス…?」
慧   「…イブ祭の翌日。…温泉なんかどうだ?
     …怪我に効くヤツ、調べとく」
貢   「………星赤さん……もしかして僕の機嫌をとろうとしてるの…?」
慧   「もちろん」
貢   「…(起き上がって目を見ながら)どうして…?」
慧   「…お前が気に入ってるから。
     …どうせ好きだと言っても信じないんだろ?」
貢   「どこが…?」
慧   「勘のいいところ。八方美人なところ。…傷も。
     …それに俺以上のタラシなところも。気に入ってる」
貢   「…タラシ?」
慧   「ああ。男タラシ。…俺は女タラシとは言われたことあるが、
     男関係はきれいなもんだぜ?
     まさか、お前に光克が落とせるとはね。一目置くよ」
貢   「…あ、ダメ、感染る」
慧   「…あとでうがいするよ」
貢   「…ならいい… ……………………………………」
慧   「(唇を離して)……本当に落としたんだな…」
貢   「…光克先輩が返してやれって」
慧   「………桐…今回限りだ。分かるだろ?
     他ではいい… 俺はお前とキスしてるんだ。アイツじゃない」
貢   「…!…はい……」
慧   「…(両手で顔を持って)…覚えたいなら俺から覚えろよ……」
二人  「………………………………………………」
貢   「(唇を離して)…はっ…あ…… ふぅ………(体を預けたまま)
     …なんか…熱が上がった気がする………」
慧   「…一眠りしろよ…(寝かす) 俺は帰るが…
     …クリスマス、忘れずに空けとけよ。じゃあな…
     …っと。
     熱が下がっても無理はするなよ。
     …汗をかいたらちゃんと後始末してアイツに感染さないようにな(笑う)」
貢   「…! (枕元にあったティッシュボックスを投げる)」
慧   「おっと(受け取って置く)ははは…」

・・・・・・・

     (ダイニング)
光克  「…アイツは?」
慧   「あっちで寝かした(席についてグラスを取る)」
光克  「そうか…(注ぐ)」
慧   「…自棄になるな。今は受験に専念しろよ…
     とりあえずそのことだけ考えるんだ」
光克  「…そうだな… 
     …で…? その後は……?(目を見る)」
慧   「……それはその時考えろ。今考えたってしようがない。
     今は今やることだけやる。だろ?」
光克  「……(頷く)」
慧   「…アイツ、勘のいいヤツだろ……」
光克  「…ああ、正月な。いいヤツだよな…」
慧   「…光克…… アイツでいいなら俺は構わない」
光克  「!… バカ言うな……」
慧   「いや… 聞かなかったことにしてもいい。
     …ただ…そういうことだ」
光克  「………………」
慧   「じゃあ、俺はそろそろ帰る。(席を立つ)
     受験で大変な時に面倒かけてすまないが、…頼む。
     俺には、…素直になれないらしいから」
光克  「ああ… 寮よりもここのほうがはかどるから構わない。
     気にするな。
     ………
     ……さとる………(手を伸ばす)」
二人  「…………………………………………」
慧   「……光克… アイツと寝てもいい…
     ……でも…キスはするな……お前のキスは俺のものだろ?
     俺は約束を守ったぜ…?」
光克  「…!!… さとる…! ごめん!」
慧   「謝るな……」

・・・・・・・

     (夕方 ダイニングにて勉強中)
光克  「(気配に顔を上げて)…起きたのか。調子はどうだ?」
貢   「…(パンツ一枚で浴衣を手にしてる)
     …あの…着替えと…何か食べるもの………」
光克  「(笑って)今、用意する。座ってろ」
貢   「…はぁ〜… 先輩、熱、取れました…」
光克  「ずいぶん汗かいたみたいだな…
     (スポーツドリンクを渡す)
     腹が我慢出来そうなら先にシャワー浴びたらどうだ?」
貢   「あ、そうします…」(席を立つ)
光克  「あ、桐、お前、魚介類平気か?」
貢   「? はい…?」
光克  「夕飯、鍋にするから。…肉の方がいいなら…」
貢   「(笑って)いえ。鍋でいいです」

・・・・・・・

     (シャワーを浴びて着替えて)
貢   「…すいません… 手伝えなくて……」
光克  「気にするな。かけろよ」
貢   「…先輩… 奥さんみたい……」
光克  「はぁ? 誰の?」
貢   「…僕の(笑顏)」
光克  「(頭を小突く)バカ言ってないで食えよ、腹へってんだろ」
貢   「はい!」

15章 7 <59>に続く...>>>>>

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・・・マースと温泉…私が行きたい……お洒落な温泉なら湯河原とかどうでしょう?高い?じゃ富士山の眺めが最高というほったらかし温泉は?…宿が無い?…はいはい、わかった。伊豆の露天風呂付き日本旅館にでも泊まってくれ。え?苗場?…またスキー?…ようするに自分が山に行きたいのね…クリスマス明けなら安いもんね…い〜んじゃないの。光克を置いて桐君と苗場……光克、かわいそ〜…受験だから仕方がない?言訳が上手いね。海神

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