the Back of Moonlight
月光の裏側で
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第15章 アイシング 〜番外編〜多田光克&桐窪貢 with 星赤慧〜
5.
    (11月のある休日)
    (光克の自宅/都内B区のマンションの一室)
    (寝室)
慧   「おい! 起きろ。食事だ」
貢   「…ん… は、はい! …星赤さん… 来てたんですか…(起き上がる)
     ごめんなさい!(頭を下げる)」
慧   「…謝る理由は?」
貢   「…怒ってるでしょ?」
慧   「だとしたら理由は?」
貢   「………だって(うつむいて)……受け止めたかったんです……」
慧   「…!… 悪かった。もうあんなことはしない」
貢   「…だから…! そんなふうになるのが嫌だから…!
     …受け止め切れなかったけど…
     最初から出来ないって思われるのはもっと嫌だ…!」
慧   「…光克に説教されたぜ… もっと大事にしろって。
     大事にしないとアイツがもらうってさ」
貢   「! …嘘。…なんだ… もうばれちゃったのか…」
慧   「でな、これを渡された。(薬を出す)
     …恋人の仕事だろとさ」
貢   「いっ…いいいいいいです! じ、自分でやります!」
     (薬を取ろうとする)
慧   「なんで?(腕を引く)
     光克にはおとなしく見せたそうじゃないか?」
貢   「……光克先輩は動じないから……」
慧   「俺はうろたえる?」
貢   「じゃなくて僕がうろたえる……」
慧   「へえ? なんで?」
貢   「……………ね、お願いですから、自分でやります」(哀願)
慧   「……ふぅ… 仕方ないな(渡す)」
貢   「…(ほうっと溜息)」
慧   「………お前、俺が妬かないって言ってただろ?」
貢   「え? あ、うん…」
慧   「今、モノスゴク妬いてるぜ。じゃあ、終ったら来いよ」(出てゆく)
貢   「はぁ〜… そんなことで妬かれたって……
     …星赤さんにそんなとこ触られたら起っちまうっての……
     ……考えただけでヤバイことになるってのに………
     分かってんのかなぁ……」

・・・・・・
     
     (ダイニングにて)
     
貢   「…豪勢ですね…昼間っから…」(席に着く)
慧   「昼しか食う時ないだろ」(ワインを開けている)
光克  「あ、忘れてた。学校、連絡しといた。
     今日もここに泊まりだから」
貢   「えっ!? 今日も?」
光克  「まずかったか? 熱が下がった後の方がいいと思って…
     …傷も少しはマシになるだろ…?」
貢   「あ… すみません…」
慧   「…そんなにひどいのか?」
光克  「見てないのか? 桐、薬は?」(ワインを注ぎながら)
貢   「あ、自分で… 出来ますよ、自分で。大丈夫です」
光克  「そういう問題じゃない」(自分のグラスにもつぐ)
貢   「……光克先輩、…星赤さんには見せられません。
     …僕の……えっと…自尊心の問題で……」
光克  「……ふ〜 わかったよ。そうやってコイツを甘やかすんだよな…」
貢   「………」
光克  「…民事不介入ってヤツだな…(杯を呷る)甘いな…」
慧   「…ドイツワインだからな。辛口だと飲みすぎるだろ」
光克  「ま…な」
貢   「…これ、昨日のスープ?」
光克  「ああ、今日も同じだって言ったろ。
     一人だと作る気になれないが、二人居て二日あれば食いきれるだろ…
     人数増えた分、カレー味にして伸ばしたんだ」
貢   「…鳥肉…」
光克  「それはお前用。アメリカでは風邪引くとチキンスープなんだってさ」
慧   「何に効くか知ってるか?」
光克  「なんだっけ?」
慧   「鼻が通るんだとさ。鼻炎に効くって事らしいぜ」
光克  「どう?桐?」
貢   「………なんか…二人とも学校とムードが違う……」
光克  「…だとさ?」
慧   「かねぇ?」
光克  「ああ… 酒が入るからだろ… ここじゃ、酒が水代わりだからな」
慧   「香子さんがノンベエだったからな」
貢   「キョウコさん?」
光克  「…お前は一度会ってるよ… 校長室で… 
     お前を平手打ちした件で呼ばれただろ?
     あれが、俺の叔母さん。養い親。…一昨年結婚して今九州」
貢   「あの時の… じゃあ一年以上ここに一人…?」
光克  「…相変わらず話が早いな… 夏には帰ってくるよ。避暑とか言って。
     …バーゲン漁りが目的みたいだけど」
貢   「冬は?」
光克  「…クリスマスや正月に家族を置いてくるヤツァいないよ。
     去年は、こっちが行ったけど…」
貢   「今年は?」
光克  「受験もあるしな。来ないし行かないよ」(杯を呷る)
貢   「…僕、来ちゃ駄目ですか?」
光克  「桐? …駄目って…」
貢   「…受験勉強の邪魔はしませんから。…多田さん、ウチでは別格なんです。
     多田さんのとこに泊まるって言えば、出してもらえる…
     大晦日とか正月とか…来ちゃ駄目ですか…?」
光克  「それは俺にダシになれって話しか?」
貢   「いえ、あの… (慧を見る)」
光克  「…俺は構わないが、慧の予定は知らないぜ」
慧   「…空けとくよ。大晦日と正月だろ…その代わりウチには泊めないぜ。
     そういう嘘は好きじゃない」
光克  「………つまり、ここで宴会する気か?」
貢   「……僕も呑んでいいですよね?」
慧   「…呑めるのか?」
光克  「…ああ、コイツけっこう強い。生徒会の打ち上げの時、
     最後まで残ったの、俺とコイツだった」
慧   「お前と張るならかなりだな…」
貢   「へへ… で、少し味見…」
慧&光克「ダメだ!」
光克  「食べ終ったなら寝てろ」
貢   「え…そんな…」
光克  「そうだ。今朝は出たのか? 大丈夫だったか?」
貢   「! …大丈夫です…ていうか…痛かったです…」
光克  「出血は?」
貢   「ありました…」
光克  「熱は?」
貢   「わかりません…」
光克  「…一応、これ飲んどけ(鎮痛解熱剤を渡す)。今、水持ってくる。
     …痛みがあるなら、シャワー使えよ?」
貢   「…はい…」
慧   「(二人のやりとりを見ていて)……なるほどな……」
貢   「ね…? 星赤さんとは違うんですって」
光克  「…なんだよ…?」(水を汲んで戻ってくる)
慧   「いや… 俺も看病される側になってみたいな…と思った」(笑う)
光克  「……(少し赤くなる)」
貢   「……僕、ソファで寝てちゃダメ?」
光克  「…うるさくないか?」
貢   「…人気が無いのも寂しいですよ…毛布持ってきます」
慧   「…誰かみたいだな」
光克  「…お前も泊まってく?」
慧   「今晩か?」
光克  「…俺がソファで寝てもいいぜ?」
慧   「バカ…帰るよ…勉強あるんだろ?
     アイツを寝かせて勉強しろよ…少しアイツと話してくる」
     (席を立って寝室に向かう)
光克  「………」

15章 6 <58>に続く...>>>>>

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・・・雑談風景…私はこういうの好きだけど、読む人はつまんないだろうな…ごめんなさいね。友達の家に泊まるくらいど〜ってことなさそうなもんだけど、桐君ちの母は過干渉なのでございます。しかし、酒呑むシーンばっかだなぁ…酒、スポーツ、雑談、旅、趣味、祭り、恋愛、…で人生は過ぎるのであった…(おい!仕事と家庭はよ!?…あ、忘れてた) 海神

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