the Back of Moonlight
月光の裏側で
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第15章 アイシング 〜番外編〜多田光克&桐窪貢 with 星赤慧〜
4.
    (11月のある休日)
    (光克の自宅/都内B区のマンションの一室)

    (夜 浴室)

光克  「…何やってんだよ? ちゃんと洗えよ…?
     …でないともう触らせないぜ」
貢   「え? あ、すみません」
    (シャワーヘッドを持ったままぼけーっと光克を見ていた)
光克  「…使わないならこっちと替われよ」
貢   「あ、いいですよ(渡す)
     (光克が使っていた天井付きのシャワーを浴びる)
     …先輩、温度下げますから離れてください」
光克  「ああ… 冷たい方がいいのか?」
貢   「うん… ちょっと頭冷やさないと… はぁ〜〜」

・・・・・

光克  「…おい… いつまで浴びてんだよ?」
貢   「は…? あ… なんか俺、今寝てた…?」
光克  「…(温度を上げる)洗ってやるから立ってろ」
貢   「すみません……(おとなしく洗われてる)」
光克  「…悪かったな……(洗いながら)
     疲れてんだろ… 熱っぽかったのも分かってたのにな……
     ……ちっ…(舌打する)」
貢   「あ… ち、違います! 先輩のせいじゃ…!
     僕が…僕が我慢出来なかっただけで…!
     …………先輩のせいじゃ…
     だから………後悔しないかって聞いたじゃないですか…?(声が変わる)」
光克  「桐?」
貢   「…俺と寝たの、後悔してるんでしょう?
     星赤さんも言ってた… 子供の相手なんか出来るかって…
     …俺、あっちこっちに迷惑かけて…
     すぐ好きになっちまうし…
     …好きになったら……好きになって欲しいし………」
     (目が潤んでる)
光克  「…ああ、後悔してる。
     (外へ出てタオルを取って来て拭いてやりながら)
     怪我人だって分かってたのに…バカやった…いや、やらせた、か。
     (ほおに手をやって)もう、口説くなよ?(キス)
     おとなしく寝ろ」
貢   「…口説いてんのは先輩……いえ、はい、おとなしく寝ます…」

・・・・・・

     (翌朝。ベッドで寝ている貢から体温計をもらって)
光克  「38度2分……立派な風邪だな。…慧に電話したぜ。
     …お前、あそこを四時過ぎには出てるってな?
     …俺が見つけた時は、5時を回ってたぜ…
     それまであそこに居たのか…?」
貢   「…すみません… 時間よく覚えてないです…
     …気持ちが悪くなってきてとりあえず座って…
     僕、一時間もあそこに居たんですか…?」
光克  「…風邪引くはずだぜ…
     今になって慧の気持ちが解るぜ。
     自分のバカは分からないけど他人のバカはよく分かるってヤツだな」
貢   「……星赤さん、何か言ってました…?」
光克  「昼に寄るってさ」
貢   「ここに来るんですか…!?」
光克  「…困るのか?」
貢   「いえ、あの…」
光克  「…俺とのことか? 黙ってて欲しいなら俺は言わないぜ?」
貢   「………いえ、…それは構わないんですけど……
     吹聴する話しでもないですけどね…
     先輩の好きなようにしてください。
     …僕が今、星赤さんに会いたくないのは……
     ………(布団をかぶって)怒られるな〜…って思って…」
光克  「……(吹き出す)ああ、きっとたっぷりな。
     食べられるなら食事にしようぜ」

・・・・・・・

     (呼び出し音が鳴る)
光克  「…来たな… (インターフォンに)やあ、入れよ」
     (入ってくる)
慧   「…悪かったな。面倒かけて。すまん。
     これ、昨日渡し損ねたヤツと…昼用に…食材だ」
光克  「(薄く笑って)気つかうなよ。俺にとっても後輩だぜ」
慧   「まあな… あいつは?」
光克  「…寝てる。起こすなよ。昼食には起こすから。
     …久しぶりだな…」
慧   「…昨日はすまなかったな…」
光克  「…アイツにも言ったけど… もっと大事にしてやれよ…
     俺のことならいいんだから(目を見て)」
慧   「……どういう意味だ?」
光克  「……アイツに聞かれたよ…
     お前と俺はどういう関係なんだって。
     俺は答えられなかった。お前はどう思う?」
慧   「……どう? そりゃ答えにくいよな。
     …俺の正直なとこを言ってもいいか?」
光克  「ああ…」(目線を外す)
慧   「…そろそろ解消すべきだろ?
     …自分で言った事が、お前の縛りになってるなら、
     そんなこと忘れろ。…幼なじみの親友…それでいいだろ?
     自由にしろよ。俺のことなんか考えるな」
光克  「……そんなとこだと思ってたよ…
     …昨日のもそういう意味だったんだろ…?
     ……(目を見て)……俺よりアイツの方がいいのか…?」
慧   「……………………」
光克  「はは…(下を向いて) バカなこと聞いてるな…
     …答えるな。…忘れてくれ」
慧   「…光克…? 何があった…? アイツ、何か言ったのか?」
光克  「(首を振って)…違う… ああ… 先に言っとく。
     …昨日、アイツと寝た。…バカやったよ。
     ……アイツ、口説き上手だよな… 可愛いし……
     …俺より可愛いとお前が思うのも当然だよな……」
慧   「…何があったんだよ? …アイツと寝た話しはいい。
     わかったから。…何があった?」
光克  「………………アイツ……受験しないって。
     夏休み明けから受験の話し全然しなくなったから
     変だとは思ってたけど…
     …卒業したら英国に行くんだとさ……あっちの学校に行くって」
慧   「…浅野………?」
光克  「(頷く)……嬉しそうに話すんだぜ……(口の端で笑う)
     俺のことなんて、アイツにはちょっと親しい友人に過ぎないんだ…
     ああ… 分かってたことだよ……!
     ずっと前から、分かってた。
     …一生友達でいられるならいいって思ってた……
     でも………!
     ………さとる…! どうやったら忘れられる?
     どうしたら抑えられる?
     ……親友だろ……? 何かアドバイスをくれよ…? 先輩?」
慧   「……(テーブルを回って向かいに座る光克の傍へ行く)
     …前言撤回だ。
     …レッテルなんか要らないだろ?
     貢と寝たんなら…わかるだろ?
     アイツは理解する。だからいいんだ」
光克  「…さとる……」(立ち上がって…抱き合う)
慧   「……お前が必要とする限り、俺はお前のものだ」
光克  「…!………(腕に力を込める…)」

15章 5 <57>に続く...>>>>>

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・・・まことが英国に行ってしまうと知った時の光克のことを思うと、可哀想過ぎて考えるのがツライ。この程度で流すのが精一杯だ。慧に支えられて過ごした2年半+α。それを思えば、まことのツラサも仕方ないかと思う…「同性同士」だから踏み出せなかった「一歩」の重み…いっそどっちかがオネエキャラならなんとかなったのか?。。。。や、悪いけど考えたくないっす… 海神

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