the Back of Moonlight
月光の裏側で
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第12章 銀杏門 〜加藤亨 & 奥寺正美 with 桐窪貢〜
1.
(銀杏門付近にて)
(午後四時頃、通称銀杏門と呼ばれる門を出て、
寮への最短コースである銀杏並木の道を歩いている。
部活動が必修になっている志峰では4時過ぎには門が閉まるこの道を通る人は少ない)
貢 「…こっち…来て…」(肩に手を回す)
正美 「…桐? どしたの…?」
貢 「…したい」(耳元で囁く)
正美 「…ここで?」(少し驚いて)
貢 「…平気だよ…見えないとこあるから…」
(囁いたまま耳下に唇を寄せる)
正美 「…銀杏門の死角? 場所、知ってるの?」
(したいようにさせたまま)
貢 「うん。…ていうか、あっちこっちあるし…
…塀際は柳と桜が交互に植えてあるだろ?
柳の向こうなんか見えっこないじゃん…
冬は使えないけどな…どっちにしろ冬は寒過ぎるだろ」
正美 「…ふーん… そういうの誰から聞くの…? …桐壷様から?」
貢 「…兄貴のことは言うなよ。(身体を離す)
アイツとなんか、口、きくか」
正美 「じゃあ星赤さん?」
貢 「…ああ…きっと知ってるよな…
でも聞いたことはない… (キスする)
正美…… 触って…」(手を誘導する)
正美 「……(キスしながら)ホントにやる気…?」
貢 「……もう俺、暴発寸前…」
正美 「…(笑って)…桐…早すぎ…僕、ついてけない…
…(そう言いながらも桐のものを探りながらキス…)」
(背後、後方、門の方から人声がする)
正美 「…桐… 人が来てる…」
貢 「…静かにしてれば分からないよ……ね…続けて…」
正美 「…でも……」
貢 「…わかった…(身体を離す)
やり過ごしたら行こう…」
・・・・・・・
(銀杏の木の上で。寮へ帰って行く二人を見届けた後…)
亨 「…………嘘だ…こんなの…(呆然と)
何かの間違いだよな…… 正美先輩…っ!」
(ずずずっとずり落ちるように木から降りる)
(そのまま木の足下に木を背にして座り込む)
……心臓が…ドキドキしてら… はは…
これも覗きか…?
なんか、こんなのばっかりだな……
…俺だけ置いてかれてるのかな…?
それとも…
最初から…俺の勘違いだったのかな…?
…会いたかったのにな… …すごく…
会いたくて…会いたくて…
会って… 抱き締めたくて…
…先輩もそう思ってくれてると思ってたのにな…
会ったらまずぎゅううって抱き締めて…
それからゆっくりキス…
それから……
バッカみてぇじゃんな…
…みてぇじゃねぇっての!
バカだっての!
…先輩!!
…くそっ…涙が……止まらねぇ…
これじゃ、帰るに帰れねぇじゃん…!
…………
…………
…正美先輩…!
説明してよ…!
嘘だって言ってよ…!
戻ってきて抱き締めてよ…!
俺、…どうしたらいんだよ…!?」
(…声を上げて号泣)
・・・・・・・
(翌日の夜。寮の部屋で、たまたま二人きり)
正美 「…桐…なんか昨日から、やけに機嫌いいね…?」
貢 「うん? そうか? そう見える?」
正美 「…あの後にさ、文句言うかと思ったのにさ…
顔、笑ってたよね……?
なんだったの? あれは?
死角を知ってるなんて嘘でしょ?
なんだったの!?」(詰め寄る)
貢 「…言わない。…言ったら俺のこと嫌いになるもん…」
正美 「…黙ってたらもっと嫌いになるよ」
貢 「…言っても嫌わない?」
正美 「内容次第」
貢 「じゃあ言わない」
正美 「…いいよ。その代わり、もう、僕に構うなよな」
(ぷいっと横を向いて自分のベッドへ行く)
貢 「正美! 怒った?」
正美 「…隠しごとしてるのはそっちだろ」
貢 「……あの時、上に人がいた」
正美 「…あの時って…あの時?」
貢 「…(頷く)」
正美 「…知ってる人…?」
貢 「…(頷く)」
正美 「(嫌な予感がし始める)…誰…?」
貢 「……」
正美 「誰さ!?」
貢 「でかい中坊…」
正美 「亨!? (悲鳴のような声で)
桐…っ! ひどいよっ! あんまりだよ…!
(慌てて周りを見回す)どうしよう……
今、何時…?
僕、今から西望行ってくる…」
貢 「ばかっ! 何考えてんだよ! もうすぐ点呼だぜ…
無理に決まってるだろ…落ち着けよ…」
正美 「触んなよ!(手を払う) 桐のバカ!
亨が今、どんな気持ちか考えてみろよ!
……なんで何も言ってこないんだろう…?(うろうろと…)
会いに来れなくても電話とか………
…もう、僕のこと、嫌いになった…?
あーもうっ
どうしよう…?
誤解だって言わなきゃ……」
貢 「………誤解なのか…?(低い声)」
正美 「え?(心ここにあらず)」
貢 「誤解かよ!?(腕を掴んで自分の方を向かせる)
俺とのことは、アイツの誤解か!?」
正美 「…桐……(驚いて見つめる)」
貢 「……(眉を寄せた真剣な顔で見つめてる)」
正美 「(目線を外して下を向く)
………そうだね…誤解じゃないかも……
自業自得か…(苦笑)
……でも…ご免、桐、…今は桐の顔、見れないよ…!!」
(手を振り払ってベッドに飛び込む)
貢 「…正美……」
正美 「ご免、亨…! ごめん! 僕が悪かったから…!
神様…!
まだ間に合いますように…! お願いします!
亨… 僕を嫌いにならないで………」
12章 2に続く...>>>>>+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
・・・桐って…イマイチ性格が悪い…つーか、ワガママ…お坊ちゃんで甘やかされて育ってるという設定ですね。本人も自覚してて自重しようという気持ちはあるんだけど、随所に出てしまうという…逆にある種の真っ直ぐさがあるんで周囲も相殺してやってる感じ? 海神
■the Back of Moonlight(月光の裏側で) <46>■海神社 Kaijin-sya 第一版 2008/10/19
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